インフルエンザの予防投与の定義と目的
板橋稲門会 健康セミナー
インフルエンザの予防投与の定義と目的
インフルエンザウイルスへの感染リスクの高い状況下で、感染や発症を予防するために抗インフルエンザ薬を服用することを指します。
適切な活用
- 家族内にインフルエンザ患者がいる場合。
- 高齢者、妊婦、基礎疾患のある家族と同居の場合。
- 職場や学校でインフルエンザ患者が発生した場合
- 流行期に受験、試合、旅行、手術など、大事な予定を控えている場合。
- 医療、介護、保育、教育など感染リスク、拡大リスクが高い職業の場合。
ただし、感染者との接触後48時間以内の内服開始が重要で、医師の診断と処方が必要です。
また、保険適応外で全額自己負担です。
使用される薬剤
- タミフル:最も歴史が長く信頼性の高い飲み薬。小児から高齢者まで使用可能。妊婦にも比較的安全。服用は1日1回、7日間継続。
- リレンザ:吸入薬で全身の副作用が少なく妊婦に使用されることもある。1日2回、約10日間吸入継続。
- イナビル:吸入薬で1回吸入するだけ。ただし予防目的での適応は公式な記載なし。医師の判断による使用のみ。
- ゾフルーザ:1回通常量を内服するだけ。小児での耐性株出現の注意点がある。
予防効果期間と費用
- タミフル:服用期間中(7日間)、3500~5000円前後。
- リレンザ:吸入期間中(約10日間)、4000~5500円前後。
- イナビル:1回吸入で7~10日程度、5000~7000円前後。
- ゾフルーザ:1回内服で約10日間程度、6000~8000円前後。
タミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザの予防効果にはいずれも50~86%程度の発症抑制効果があります。
予防投与は感染した場合に周囲へ重大な影響がある人や、高リスク患者を守るための医学的選択です。
あなたの生活背景、家族構成、基礎疾患、周囲の状況に合った適切な判断と医師に相談して使うことで、最大限の効果と安全性が得られます。
参考:日本医師会雑誌
文責:窪田公一


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