下肢静脈瘤

板橋稲門会 健康セミナー

下肢静脈瘤とは、下肢の静脈に血液がたまってこぶのように腫れてしまう病気で、女性や立ち仕事の人に多い良性疾患です。

原因

足の静脈には血液を心臓に戻す役割があります。
静脈の中にはハの字型の弁があって、立っている時に血液が足の方に逆流するのを防いでいます。
この弁がきちんと閉まらないと静脈に血液がたまってこぶのように腫れます。
弁が壊れる原因は、遺伝、妊娠、出産、長時間の立ち仕事などです。

症状

長時間立っていた後や昼から夕方にかけて起こる、ふくらはぎのだるさや痛み、足のむくみです。
就寝中にこむら返り(足のつり)を起こすことがあります。
足に湿疹や色素沈着などの皮膚炎を起こすことがあり、重症になると潰瘍ができたり、出血することがあります。

セルフケアと予防

足のむくみやだるさが気になるといった軽度の下肢静脈瘤の場合は、長時間同じ姿勢で立ったままや座ったままでいることを避け、1時間に1回は歩くなどして足を動かしてください。
散歩やジョギングでふくらはぎの筋肉を鍛え、適度な運動で血流を改善して悪化を防止できます。
良性疾患なので、だるさ、痛みなどの症状や皮膚炎がなく、見た目が気にならなければ治療の必要はありません。

治療

進行して治療が必要になった場合には、弾性ストッキングを使う圧迫療法、注射で静脈を固める硬化療法、手術療法、の3つがあります。
手術で現在主流なのは、体への負担が少ない血管内治療(レーザー治療、高周波治療、グル―治療)です。
何れも日帰り治療が可能で、保険適用となっています。
専門の血管外科を受診して適切な治療法を相談してください。

参考:日本医師会雑誌
文責:窪田公一

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